ミュージアムを活かした地域づくり

《北斎と栗のまち》 長野県小布施町

葛飾北斎の肉筆画を多く所蔵する美術館。
「北斎」に代表される文化と「栗」の産業を象徴として、小さな王国・小布施町がつくられていく。

長野県北東部に位置し、江戸時代には千曲川の舟運と街道により、北信濃の経済・文化の中心として栄えた。豪農・豪商たちは葛飾北斎や小林一茶など多数の文人墨客を招き、文化が育まれていった。 小布施町では、岩松院の天井絵など北斎の肉筆画が残されており、昭和51年、北斎の描いた祭り屋台の収蔵庫として美術館「北斎館」が建設された。この施設整備により、小布施町民が美術館の存在をアイデンティティとしてとらえるようになった。各栗菓子店では来訪者を迎えるサービス事業を展開し、北斎を招いた高井鴻山の隠居跡整備を契機に民間・行政協働で町並み修景事業に着手し、様々な文化交流事業を展開してきた。現在は人口11,074人(平成22年国勢調査)の町に年間約120万人の観光客が訪れ、「北斎館」には年間20万人の来館者がある。 平成21年7月には新しい町立図書館「まちとしょテラソ」が開館し、町民のアーカイブ事業など新たな試みを開始している。

2012年05月15日(火) update